島根県江津市。古くから江の川の舟運と日本海の海運の要所として栄え、江戸時代中期以降は北前船の寄港地として成長した町。江戸時代、河岸には450隻以上の帆船が林立し、河岸から町中に向けて多くの廻船問屋の蔵屋敷が軒を並べていたといわれます。
街の中心を山陰道が貫き、東は大森銀山、西は浜田へと向かっており、陸路と海路、そして山陰と山陽を結ぶ大動脈江川の河路が集中する要衝として経済的発展をとげ、当時は石見銀山に次ぐ石見地方第二の町として栄えました。
現在でも江津本町には、商家や土蔵、多くの神社仏閣、明治大正の郵便局や役場など、数多くの歴史的建造物が残されており、近世は江戸・明治・大正の面影が随所に残されています。
建造物の屋根は殆どが石州瓦の赤。石見地方独特の赤瓦の景観が展開されています。
ちなみに、江津本町から西に500m走ると、そこは石州瓦産地の中心地都野津の町があり、あたり一帯が瓦の町として、工業の町として形成されています。