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ロシア、サンクトペテルブルクの茶室建設と石州瓦の話 その2

先般、ロシアのサンクトペテルブルクに、日本の伝統建築である茶室が建設中で、屋根の石州瓦が葺かれたニュースをご紹介しました。
その最後に、予断としてサンクトペテルブルクにまつわる話をまとめましたが、今回は、さらに余談の続きとして下記のお話を紹介します。

余談の続き・・・ロシアと江津市を結ぶ歴史秘話
〜インティッシュ号と江津市和木の人々〜

 

ロシアロマノフ王朝の都サンクトペテルブルクのことを少しばかり紹介している中、大事なことを思い起こしました。
現在、石州瓦がシベリア鉄道9,297kmに載って、モスクワ経由サンクトペテルブルクに大輸送されていますが、今から106年前の明治38年5月27日、当時世界最強と喧伝されたロシア海軍の大船団「バルチック艦隊」が、バルト海から大西洋を南下、アフリカの喜望峰を回ってインド洋、東シナ海経由で日本海に至る歴史的大航海に繰り出し、日本海上において、東郷平八郎旗下の連合艦隊と激突、壊滅的な敗北を喫しました。
バルチック艦隊は、わずか3日間の戦いで殆どの戦艦が沈没あるいは大破、わずか数隻がウラジオストック港に逃げ込みますが・・・。

さて、ここからが本題、ロシアと石州瓦の故郷江津市との間で生まれた歴史物語が始まります。

海戦勃発の翌日(5月28日)午前10時頃、沈没寸前の一隻の船が、江津市和木町の沖合に姿を見せた。
その時、和木の浜には、数日前からの強風を避けるため、100隻余りの地元の船(多くは漁船)が並んでいた。
『汽船?』『病院船?』地元住民が固唾をのむ中、その船はさらに北上、嘉久志町の沖合から江の川河口付近に接近した後にわかに方向を逆転、再び和木の沖合に姿を見せた。やがて停泊した。昨日の日本海海戦で敗れ去ったバルチック艦隊の特務艦「インティッシュ号」である。総排水量15,000d、全長180m、全幅17m、兵器として8つの小口径砲を装備していた。
編成乗員は251名、12〜13歳の少年兵や退役軍人が60%以上を占めている。
いずれにしても、当時の軍艦を見たこともなかったであろう、和木の住民の驚きは大きかったであろう。
やがてインティッシュ号から6隻のボートが下され、陸地に向かい始める。
『攻撃が始まる?』浜で固唾を飲む思いの住民は警戒した。
船には5本の旗が掲げられている。
B旗(我は激しく攻撃を受け)、N旗(援助を乞う)、白旗(投降)、赤十字旗、そしてロシアの国旗である。
和木の住民総出による救助作戦が開始され、午後6時頃、ゴムイセフ艦長以下235名全員の上陸が完了、その夜は住民たちから飲料や宿泊などの保護を受け、負傷者53名は和木と嘉久志町の両小学校に収容されて手当を受けた。
和木の男子たちは海に飛び込んでボートを岸まで引っ張り、婦人たちは総出で炊き出しをして、ロシア兵に食事を与えた。その献身的な救助活動に、ロシア兵の多くが感激したという。
翌29日未明、インティッシュ号は沈没、乗組員は浜田連隊に引き渡され、四国の捕虜収容所をへて本国ロシアに送還された。

そしてその翌年から、和木の住民によってロシア兵を偲んだ「ロシア祭り」が開催され、その後の戦争で一時中断されながらも、現代に引き継がれ、今も毎年開催されている。

インティッシュ号乗組員救助から100年をへた2005年5月29日、ロシア大使館の参事官を招く中で記念式典が江津市内で開催されている。

また2011年2月、江津市の旧家「千代延家」の蔵から4年前に発見された、130年近く前のロシア太平洋艦隊の航海日誌がロシア海軍の公文書館に寄贈された。
この中で、日本の川端総領事は「この日誌が100年以上日本に保管されロシアに戻されることは日ロ友好の証です」と述べ、公文書館のチャル二ャフスキー館長に手渡されました。
この航海日誌は、1882年4月〜7月までのもので、水兵の軍服の調達や横浜港入港の手続きなどの業務が記載され、当時のロシア太平洋艦隊率いたアスランベコフ提督の著名が入っています。
千代延家の話によると、この日誌はインティッシュ号乗組員が、地元住民による救助に対するお礼として残していったものということです。

この航海日誌が保管されてうるロシア海軍の公文書館は、サンクトペテルブルクに所在しています。

 

最後に、このインティッシュ号遭難と救助の物語を題材とした小説をご紹介しておきます。

  題名 「インティッシュ号の来た日」直木賞作家 難波利三著作

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