倉吉市は鳥取県の中央部に位置する城下町で、打吹山と小鴨川の間に市街地が形成されています。
江戸の初め頃は打吹山に城が築かれ城下町として整備されていきますが、元和元年(1615年)の一国一城令により廃城となり、その後は宿場町、さらには商人街として発展していきます。山陰地方中央部の穀倉地帯であったことと、河川交通の利便性がこの町の形を造っていったわけです。
武家屋敷は葵町、仲の町、瀬崎町に所在。町並みは東西に縦断する本通筋都心町筋沿いに拡がり、その北側が玉川によって区切られています。
玉川の南側は商人町,北側は職人町で、南側の魚町から東仲町、西町にかけて古い町並みが残り、裏手の玉川沿いには江戸時代から明治にかけて建てられた土蔵群が整然とたたずんでいます。
土蔵群の漆喰壁、焼き杉の腰板、蔵を支える石垣などが、倉吉独特の町並み景観を形成しています。
町屋は切り妻造りの平屋、中二階、二階建て。平入りの商家が軒を並べています。
古い町屋や土蔵群は、どの建物も耐寒性の強い石州来待瓦で使われていて、石州瓦独特の赤褐色の景観美を演出しています。