一時は登録が危ぶまれていましたが、ついに石見銀山の遺跡価値が認められ 世界遺産登録の運びになりました。
まずは関係各位のご努力に敬意を表するとともに、今後さらに価値が深まるよ うに、我々石州瓦業界としても一層のサポートをしていきたいと考えます。
石見銀山は全遺跡のうち発掘調査されたのはわずか5%前後、残りはいまだ地 中に眠ったままです。
戦国期から江戸中期にかけて大いなる繁栄を極めたことを示すものは、例えば 龍源寺間歩や500羅漢、代官所跡、古寺院などがありますが、中でも往時の隆 盛振りを示すものとして大森の街並みがあります。
戦国期から明治にかけ、石見銀山の政務、商務、経済産業活動の拠点として発 展してきた大森の町。現在も近世江戸時代の町並み色濃く残しています。 現在に残る町並みは、1,800年の大火以降の復興によって出来たもので、火災対 策として石州瓦が使われました。建物は石州独特の赤褐色屋根で彩られ、石見 地方の町屋集落の典型的な景観を残しています。
現在、大森の町は国の伝統的建造物群保存地区に指定されていますが、世界遺 産登録を目指す石見銀8山周辺には、今ひとつ国の伝統的建造物群保存地区に指 定されている町、温泉津(ゆのつ)があります。
温泉の湧く港町 温泉津は、古くから石見銀山の積出港としてその名を知られ、 江戸時代の中頃には北前船が寄港する津として繁栄を極めました。 現在は、山陰石見地方の秘湯として人気があり、近世の面影を伝える街並み(石 州赤瓦の見事な景観です)が、湯治客をあたたかく迎えてくれます。