城下町の建設は、瓦葺き建物の普及の始まりでもあったわけですが、本格的に民家の屋根に普及するのは、いわゆる平瓦、今日の桟瓦の原形が発明されてからでした。それまでの瓦は、今日で言う本葺き瓦のことで、丸と平の瓦を交互に重ねあうものでしたが、その丸と平の瓦を合体成形させた瓦が誕生したのです。延宝2年(1674年)4月8日、近江大津の瓦工西村五兵衛が考案しました。
瓦屋根の施工性と防水性が飛躍的に向上しただけでなく、費用も半分近くに押えることができたのです。新開発屋根材 桟瓦が最初に施工されたのは三井寺の万徳院の玄関だったとされています。瓦伝来1000年以上を経過してようやく一般に普及する基礎ができたのです。