屋根にも性能があります。これは2000年の建築基準法の施行令、並びに関連告示で屋根葺き材の規定が改正されたことを受け、2004年に日本建築学会がまとめた「JASS12屋根工事標準仕様書」にはっきりと記載されています。
これによれば屋根には6つの基本性能と5つの二次的性能が求められています。屋根も性能の時代になったんです。
『通常の風雨条件に対して室内への雨漏り及び屋根層内への有害な浸水を生じないこと』これが屋根の防水性能の基準です。屋根の防水性能を高めるには、屋根材選び+的確な屋根工事の二つが重要です。屋根材では、透水しにくい材質や水の浸入を出来るだけ防ぐものを選ぶことです。しかしなんと言っても雨漏りは屋根工事の内容に大きく左右されます。屋根工事は目に見えない部分で、なかなかわかりづらいですよね。目安は 1.信頼できる屋根工事店を選ぶ 2.屋根材の留めつけ方法 3.屋根下地の施工方法などをキッチリ知っておくことでしょう。
『強風時の風圧力に対して屋根葺き材および留めつけ部の有害な変形、破損、脱落を生じないこと』これが屋根の耐風性能の基準です。現在、日本全国の地域が台風から屋根を守るための基準風速が決められています。たとえば沖縄は46m/Sの基準風速でも飛ばない屋根性能が求められてます。まず皆様の地域の基準風速を知ることが大切です。そしてその基準風速に耐える屋根造りの方法「屋根工事のガイドライン」が存在することを知ってください。さらにもう−つ「防災瓦」が存在することを知ってください。防災瓦を使い、ガイドライン工法で施工すればまず安心です。
『極めてまれに発生する地震に対して、屋根葺き材の脱落を生じないこと。まれに発生する地震に対して屋根葺き材および留め付け部の損傷を生じないこと』これが屋根の耐震性能の基準です。これも耐風性能と同じで防災瓦とガイドライン工法で施工されることをお勧めします。屋根部位の中で特に地震に弱く脱落やズレ落ちが発生しやすいのが棟。棟の場合、特に防災力を意識した「防災棟」とガイドライン工法が力を発揮します。
『通常の自然条件、使用条件、維持管理条件で、耐用年数内に有害な劣化が起こらないこと』これが屋根の耐久性能の基準です。新築時や葺き替え直後はともかく、屋根は時間を経過するにつれてその性能が劣化してきます。丈夫で長持ちする屋根は、いつまでも快適な暮らしを提供するだけでなく、補修や全面葺き替え工事までの期間が長く経済的にもお得です。昔の屋根は50年、100年も使われていました。屋根の耐久性とは、暑さ寒さや湿気などの気候の変化に強く、塩害や酸性雨などに負けない性能のこと。こうした物性に強い屋根材を選ぶことが、耐久性の優れた屋根造りの基本です。
『通常の使用条件で想定される屋根面への衝撃に対して、屋根葺材および留め付け部の損傷を生じないこと』これが屋根の耐衝撃性能の基準です。屋根の上は結構歩かれています。まず屋根工事のとき瓦職人さんが歩きます。その他テレビのアンテナやソーラーパネルの取り付けなどなどです。この時に踏み割れるような屋根材は論外です。瓦屋根の上を歩くときには瓦の凹んだ部分を歩くと比較的割れにくいですが、出来るだけ屋根の上は歩かない事をお勧めします。衝撃や破壊に強い屋根を造るには、やはり破壊強度や衝撃に強い屋根材を選択することにつきます。様々な屋根材がありますが、それぞれ破壊強度の試験データーがあります。比較されることをお勧めします。
『通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災を防止するために必要とされる性能を満足すること・有害な発災、融解、き裂が生じないこと』これが屋根の防火性能の基準です。建物の部位によって、求められる防火性能は異なります。屋根や外壁などは不燃性能が必要で台所のガス台周りの内壁も不燃性能が必要です。瓦は江戸時代の昔から防火建材でした。まず防火には安心です。
難しい問い合わせです。どんなモノでも長い時間が経過すると色アセが起きてきます。最先端の技術を誇る車のボディも例外ではありません。色アセしない屋根というよりは、長い時間を経過しても色アセしにくい屋根を選ぶことが肝心です。瓦は焼き物、表面の釉薬が高温焼成でガラス層を作っていますから、色アセはなかなか生じません。出来るだけ高い温度で焼かれている瓦を選ぶことをお勧めします。
日本の気候風土を振り返ってみてください。冬の厳しい寒さ、夏の湿気を含んだ猛烈な暑さは人間の健康だけでなく、住まいの快適さや屋根の寿命を左右します。寒さは人知れず屋根を痛めています。屋根には瓦職人さんが言う『凍害』という敵がいます。厳しい寒さが屋根材を破壊することです。凍害を受けると屋根の耐久性はガクっと落ちます。これは雨漏りの原因につながります。凍害は何も寒い地方に限ったことではありません。九州でも四国でも山間部では発生しています。寒さに強い屋根を造る、それには凍害に強い屋根材を選ぶことが一番です。
最近、塩による屋根の被害をよく聞くようになりました。海岸線沿いの建物や沖縄などの離島に多いようです。これは風などによって屋根に付着した塩分が、屋根材の生地に侵入し、屋根材をボロボロに破壊する現象です。こうなると屋根の耐久性は著しく劣化、やがて雨漏りにつながります。塩害に強い屋根を造る、そのためにはまず塩害に強い屋根材を選ぶことが一番です。
大いに関係あります。酸性雨が屋根にもたらす影響は、色アセや腐食です。見た目はもちろん、確実に屋根の寿命を縮めます。厄介なことに、酸性雨をもたらす要因は当分なくなりません。ここは−つ酸性雨に強い屋根材を選ぶしかありません。
最近(2005年)の半年間、この質問が一番多かったのは無理もありません。でも驚きました。瓦にアスベストが入っているのでは?という疑問には意表をつかれた思いです。安心してください、石州瓦にはアスベストは入っていません。人にやさしく、自然におだやか。昔も今も変わらない石州瓦の基本的性質です。
本当です。でも石州瓦の場合使用する釉薬のごく一部で、その量は環境基準をはるかに下回る微量な数値。当然人体や自然に悪影響を与える量ではありません。しかしながら、石州瓦では、鉛の完全ゼロ化を目指して開発を進めており、もうすぐ達成します。石州瓦は昔も今も自然回帰の屋根材でなければならないからです。
これはよくある質問であり、今でも我々を悩ますものです。すこしばかり長くなりますが、この結露と雨漏りの違い、すこしばかり紙面を割いてご説明いたします。
(宮野秋彦名古屋工業大学名誉教授著 『屋根の物理学』日本屋根経済新聞社発行を参考に組み立てたお話です)
●見た目では判らない結露と雨漏り
『雨漏りがする』ということで、入ってみたら原因は屋根の雨漏りではなくて『結露』が理由だった‥というケースがよくあります。天井や内壁の上部に出来る水滴は確かに雨漏りと思われる方が多いのでしょう。雨が降っていないのに天井や内壁に水滴が出来る。これは結露が原因でしょう。寒い冬にガンガン暖房を入れて部屋が暖かい時、天井や内壁に水滴が出来る、これも結露。暑い夏にガンガン冷房を入れて部屋が涼しい時に天井や内壁に水滴が出来る、これも結露です。
●結露の原因
実は木造住宅の屋根裏に結露や湿潤による被害がおよぶようになったのは最近のことです。原因の−つに木造住宅の屋根構造の気密化があります。高気密な屋根裏構造に適した防湿、防霧対策がなされていなかったことに原因があります。昔は結露といえば冬に起きるもので、夏は少ないものでした。気密度の高い外壁材が使われるようになってから、夏にも冷房時の壁内結露が発生するようになりました。今では冬型結露と夏型結露に区分けされます。
●間違えやすい雨漏りと結露 それは内部結露からが多い。
冬型結露には、室内の内側表面に現れるもの(表面結露)と、壁や屋根裏など構造体の内部に発生するもの(内部結露)があります。この屋根裏に発生する内部結露が、雨漏りと間違えられることが多々あるのです。内部結露は普通目に見えないことが多く、発見が遅れて被害が大きくなることがあります。十分に注意してください。
●結露を起こさないためのポイントは二つ。
(1)構造躯体の湿気透過抵抗値が、内側から外側に向かって次第に小さくなるように、構成順を考慮した工法を採用し、最後に外気へ放湿してやる (2)断熱性を高めるとともに、その部分(天井裏など)の換気力を高め湿度を逃がす。この2点が結露防止の方法です。家を建てるとき、増改築をするとき、この結露対策には充分配慮されることをお勧めします。
ここまでのQ&Aは、最近問い合わせの多い「屋根の性能」に関するものを整理してご紹介しました。より詳しい内容を知りたい方は、石州瓦工業組合までお問い合わせください。