一般的に、セラミック製品の焼成温度は、例えばレンガで800〜900度、素焼き・楽焼きで800〜1100度といわれます。しかしながら同じ焼き物でも石見焼きは、1300度の高温で焼かれていました。瓦でも例えばだるま窯などで焼くいぶし瓦などは900〜1100度ですが、石州瓦は石見焼きと同じく1300度で焼かれていました。
耐火度の高い粘土と釉薬を原料とする石州瓦は、1300度の高温焼成が求められたのです。
石見焼きの職人たちは、1300度の高温焼成を可能にするシステム「巨大な登り窯」を築きます。現在も石見地方で多く見られる登り窯跡は、房が10〜18段もある巨大なもので、1500度以上の高温を可能にするものでした。
大型の石見焼きや瓦は、この登り窯で、1300度前後の高温で焼かれていました。
現在石州瓦は、近代的な焼成システムジェットキルン(トンネル窯)で1200度以上の温度で焼成されていますが、この温度は日本各地の瓦の中では最も高い焼き温度。この温度差が石州の品質の優位性をゆるぎないものにしています。
また歩留まりや品質の均一化など、そのクオリテイは格段に進歩しています。